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るつぼ@シアターコクーン

るつぼ@シアターコクーン_f0370565_183306.png昨日シアタ-コクーンで「るつぼ」を観てきました。
感想を一言で表すと「凄かった!!」面白いとか感動したとかじゃではなく、とにかく凄かった!!

17世紀マサチューセッツ州セイラムで実際に起きた魔女裁判を元に、アーサーミラーが脚本を書いた普遍の名作です。
魔女や悪魔なんでいないことは冷静に考えれば明白なのに・・・集団心理の恐ろしさ、真実よりも多数の意見のほうが事実になる、真実を主張するものが異端者となる、自分の利益のために平気で嘘をつく、仲間外れされたくないためにその嘘に加担していく。人間の愚かさ・弱さ、そして威厳を貫くこと、今の時代にも通じるテーマですね。

でも、脚本の良さだけでは舞台は成り立ちません。
演出・照明・実力派揃いの俳優達、すべてが揃い、この恐ろしい空間に化ける。
こんな暗いテーマの1・2幕とも長丁場1時間半の台詞劇を、初めから終わりまで緊張感が張りつめ、固唾を飲んで観入ってしまいました。眠くなるどころか、瞬きせずに観てた感じ(お尻はちょっと痛かった)俳優が演じているのではなく、登場人物そのものに写ったし、舞台を観客から観るというより、その場にいるような臨場感でした。
ここのところ、以前より精彩を欠いているように感じていた堤君の演技でしたが、最後のシーン、圧巻でした!
良いストレートプレイはミュージカルを超えると時々思いますが、この作品もまさにそれでしたね。楽しくもハッピーエンディングでもないのに、心にずしんと響いています。
TVや映画では味わえない、劇場の中だけに起こる生の舞台芸術の醍醐味・素晴らしさをまたまた体験できて、良かった!

余談ですが・・劇場のアンケートの最後に、①シアターコクーンで舞台を観るのは何度目ですか?②その中で一番印象に残っているのは?がありました。私は①10回以上②初演の「キル」ですね。

by lovelysheep2 | 2016-10-30 19:07